Railsエンジニアって本当にオワコンなの?
Ruby on Railsは日本人のまつもとゆきひろ氏によって開発されたプログラミング言語「Ruby」を用いて作られたWebアプリケーションを開発するためのフレームワークです。
昨今、TwitterやYouTube等のSNSで「Railsはもうオワコン!時代遅れ!」みたいな投稿を目にするようになりましたね。
ですが、正直なところ私は全くそう思っていません!
実際に現役のWebエンジニアとして働いている身として、どうしてRailsがまだまだオワコンでないと考えるかを、以下の2点に基づいて具体的に解説していきますね。
- 需要
- 給与
Railsエンジニアの需要・将来性って実際どうなの?
先に結論から言いますと、「10年前ほど需要は高くないけど現在も根強い需要と人気があり、日本においては今後10年くらいは使われ続ける」です。
もちろん、このように考える理由はいくつかあります。
- 歴の長いWebサービスの保守で必要となる
- 小規模スタートアップ企業でよく採用される
以下で詳しく解説しますね。
歴の長い大規模サービスの保守で必要
Ruby on Railsというフレームワークは10年前ほどに最も流行し、その頃に開発されて今も運用されているWebサービスの多くがRailsで作られています。
例えば、有名なところでいくと以下のサービスがRailsを用いて開発されています。
- クックパッド
- Qiita
- クラウドワークス
- グノシー
このような長年運用され、莫大なユーザーを抱えているサービスは、新しい言語やフレームワークで作り替えるのが非常に難しいです。コストもめちゃくちゃ掛かりますし。
なので、今後も既存のフレームワークであるRailsを使ったまま保守・運用をしていくことになります。
そのため、大規模なWebサービスを安定稼働させるために多くのRailsエンジニアが必要となるわけです。
小規模スタートアップ企業でよく採用される
上記の「大規模サービスの保守・運用で必要となる」とは、正反対とも言えますが、Railsは小規模なスタートアップ企業でよく採用されます。
詳しく解説すると、
Railsというフレームワークは、Webアプリを非常に早く開発できるという特性があるため、資金力が強くない小規模ベンチャー企業が素早くアプリのプロトタイプを公開したい場合に重宝される
ということです。
逆に資金力の大きいスタートアップ・ベンチャー企業では、早めの段階から多くのエンジニアを確保し、比較的大きな開発組織を作れるので、Railsに拘らず新しい技術を採用します。
ですが、スタートアップ界隈でそこまで強い資金力を持っている会社は少ないので、今後もRailsを採用する企業は多いでしょう。
Railsエンジニアの収入ってどれくらい?
Railsエンジニアの平均年収は約520万円です。
しかし、企業によっては年収250万円で求人を出していたり、1800万円で求人しているところもあるので、正直ピンキリですね。
なので、実際に公開されている求人を覗いて、Railsエンジニアの給料相場をざっと確認してみましょう。
正社員Railsエンジニアの場合
ITエンジニア特化の転職エージェントであるレバテックキャリアから、Railsエンジニアの正社員の年収を
- 弥生株式会社
- freee株式会社
- エン・ジャパン株式会社
- 株式会社TimeTechnologies
の4社の募集をもとに紹介しますね。
1. 弥生株式会社

年収 | 600~910万円 |
勤務地 | 東京 |
使用する技術 | Ruby on Rails / GraphQL / Vue.js / Github |
2. freee株式会社

年収 | 500~1200万円 |
勤務地 | 愛知 |
使用する技術 | Ruby on Rails / React / MySQL / Github |
3. エン・ジャパン株式会社

年収 | 450~800万円 |
勤務地 | 東京 |
使用する技術 | Ruby on Rails / jQuery / PostgreSQL / Github |
4. 株式会社TimeTechnologies

年収 | 500~1000万円 |
勤務地 | 東京 |
使用する技術 | Ruby on Rails / JavaScript / AWS / Github |
業務委託(副業)のRails案件の単価
次に副業やフリーランス向けのRails案件の報酬額を、フリーランス向け求人サービスである「フリーランススタート」にある募集から、いくつか紹介しますね。

単価(月) | 60~70万円 |
勤務地 | 東京 |
使用する技術 | Ruby on Rails / TypeScript |

単価(月) | 45~80万円 |
勤務地 | 東京 |
使用する技術 | Ruby on Rails |

単価(月) | 85万円 |
勤務地 | 東京 |
使用する技術 | Ruby on Rails / HTML / CSS / JavaScript |
補足:海外では正直オワコン化している
Ruby on Railsは日本においては依然として一定の人気を保っていますが、正直海外ではかなり人気が落ちているのが現実です。
海外ではPythonとそのフレームワークであるDjangoの人気が非常に強く、同じ動的型付け言語であるRubyとそのフレームワークであるRuby on Railsはポジションを奪われています。
言語 | フレームワーク | |
日本で人気 | Ruby | Ruby on Rails |
海外で人気 | Python | Django |
実際に、Google Trendsで世界の検索数を比較すると、「Ruby」よりも圧倒的に「Python」の検索数が多いのが分かります。

また、フレームワークの検索数も「Ruby on Rails」よりも断然「Django」の方が多いですね。

このように海外の傾向としては、Railsの人気は下がってきて、今後の新規開発における技術選定で採用される可能性は低くなっています。
そのため、もしあなたが海外でエンジニアとして活躍したいと考えているのであれば、RailsだけでなくPythonやその他の技術にも手を広げて挑戦するのが良いでしょう。
まとめ:日本ではRailsはまだまだ需要ある
ここまで、Railsエンジニアの需要や年収について、色々なサンプルと私の実体験を交えて解説してきました。
まとめると、このようになります。
- Railsの需要は今後10年くらいは残り続ける
- Railsエンジニアの年収は低くない(ピンキリだが平均年収は520万円くらい)
- 日本では安定的な人気を保つが、海外ではそんなに人気ない
本文でも述べてますが、Railsで作られたWebサービスも多く、Rubyが日本発祥の言語ということもあるため、日本においては今後も強い人気とコミュニティを保つと考えます。
求人数も膨大にあって給与も低くないので、プログラミング初学者にとって最初に学ぶ言語としては良いチョイスですね。